2018/3/27

消火器機能点検

 
先日のマンション(五)項ロ消防設備点検中住民から質問がありました。「消火器の機能点検はどうしていますか?放射とかするのではないのですか?」と・・・住民も傍から見れば外観点検は納得しているようですが機能点検は理解していないのが多いのかな?と思いました。「確かに放射試験はしますがロットを組んで抜き取りで対象となります。でも実際上は交換の運用がされています。」いつもならこの説明で納得されていたのですが今回はチョット違っていました。「交換では機能点検にならないのでは?」と・・・私も先につかえてチョット説明不足を反省する次第でありましたが、からくりを紐解くと、(「放射試験を行いますと当該設置していた消火器が不足するので未警戒となります。その未警戒分の消火器を解消する為代替消火器を設置、つまり放射試験消火器と代替消火器を交換する事になります。」)肝心な放射試験は契約上又は運用上現地で行うか持ち帰って機能点検を行うかはまちまちでしょう。ただ、現地でましてやマンションで放射試験を行うとスペース確保や粉末薬剤が飛散してクレームの原因となります。当然限られた時間の中で薬剤性状や各部品劣化のチェック重量を行いますと思いがけない時間が掛かってしまいます。消火器本数が多くなれば掛かる時間も比例していきます。その省力化の一環として交換の方法が一般的なのが大半なのではないでしょうか。確かに最近は蓄圧式消火器の普及で加圧式消火器は見かけなくなりました。加圧式消火器が市場の大半を占めていた時代は十分現地で機能点検が可能だったのではないでしょうか。クランプ台とキャップスパナ、測りは消火器点検には欠かせないアイテムでした。このタイプは消火器内に起動用ボンベが装着されておりレバーを握ることで起動用ボンベが放射され消火器本体の内圧が上昇、その原動力で本体内薬剤を放射する仕組みだったのです。ただ、この方式によって人身事故が相次ぎました。この方式、通常は内圧がかかっていませんので放射時いきなり強い内圧がかかりますと本体強度は内圧に負けてしまい暴発してしまうのです。本体底部は抜けて本体がロケットの如くすっ飛んでいった。人間を直撃し重大な人身事故を招いてしまった・・・特に製造年数の経過した本体溶接部分底部は強度が弱くなっています。この事態を重く受け止めた消防行政やメーカーは蓄圧式消火器を普及させ加圧式消火器の製造を控えるようになりました。このタイプの消火器は常時窒素ガスの内圧がかかっていますので安易に機能点検を実施する事が難しくなりました。実際現地で機能点検を実施する事になればガスボンベを携行しなければならないからです。実際現地での機能点検はかつての加圧式タイプより時間労力が掛かります。これからの課題を考えさせられます。機能点検対象は5年経過したものが対象で10%実施内50%が放射試験です。10年を超えますと耐圧試験対象となります。例えば、2012年製蓄圧式消火器が20本あったとします。今年は2018年ですので5年を経過していますので機能点検対象消火器は2本で良い事になりますが内1本は放射試験です。ここで問題です。先に述べましたが放射試験実施後の代替消火器は1本用意、実施後交換しました。じゃあ、機能点検分の1本はどうしますか?と言う疑問が生じてきますね。まぁ、ガスを抜いてボンベ携行すればいいのですが中々難しいでしょう。やはり交換せざるを得ないのかも知れませんね。製造から5年迄は恩恵を受けていましたが5年経過してからは経費が嵩んできますね。新規物件見積するときはこの辺を十分注意しなければなりませんね。・・・弊社では設備修繕計画を一緒に考えるビル管理士やお金のアドバイザーFPが居ります。相談させていただきますので是非弊社に問い合わせ下さい。